私たちが抱えている問題、感じている痛みは普遍的なものであり、解決方法は、長く繁栄した社会全てに共通する原則、不変にして普遍の原則に基づいている。スティーブン・コヴィー博士はその原則を明確にし、体系づけたのがこの『7つの習慣』です。
変化が大きいほど、困難なチャレンジであるほど『7つの習慣』の持つ意味も大きくなると語られています。
自分の最高の望みを達成し、最大の困難を克服したいならば、自分が求める結果を支配している原則や自然法則を知り、それを適用することが大事。
この記事では私たち自身が抱える個人的な問題やニーズ、社会における普遍的な問題を挙げていきます。
恐れと不安→自立して相互依存の能力を身につける
恐れと不安があると気弱になり、安定を求め、職場や家庭でお互いにもたれあう依存した関係になりがちになる。もたれ合いの依存関係から抜け出すには、それぞれが自立するしかない。しかし自立だけでは止まらず、相互依存の能力を身につけなければならない。
重要な成果をあげるには、相互依存の能力が必要なのだそうだ。
今すぐ欲しい→真の成功とは持続性と成長
今日の成果を人々は求めるが、真の成功とは持続性と成長である。今日の結果を出すことと、未来の成果に結びつく能力に投資することのバランスをとることが大事。健康、結婚生活、家族の絆、自分が属するコミュニティーでも言える。
非難と被害者意識→状況を受け入れ、責任をとる。困難に創造的に取り組み、自ら選択する
人のせいにしたり、環境のせいにしたりしてしまいがちだが、実際にはその問題と自分をつなぐ鎖を強固なものにしてしまうだけ。謙虚は人は自分が置かれた状況を受け入れ、責任をとる。勇気のある人は、主体的に困難に取り組み創造的に取り組む。自ら選択することによって大きな力を得る。
絶望→自分の人生は自分で創造する
非難されてばかりいる子どもは、人に対する不信感と絶望感を内面に育ててしまう。置かれている状況で自分は被害者だと思ってしまったら、希望・生きる意欲を失い諦めと停滞の状況に慣れていく。これに対しては、成長と希望の原則「自分の人生は自分で創造する」という態度をとる。
バランスの欠如→最も重要な事柄を明らかにして実行に移す
携帯電話の普及により、より多くのことが要求され、ストレスは増し、本当に疲れさせる。有能な人間になろう、効率を高めようと必死で努力しているが、ますます仕事に追われ、健康、家族、誠実さなど、自分にとって最も大切なものを仕事のために犠牲にしている。社会の求めにただ応じていたら、心の平和やバランスの良い生活は得られない。自分にとっても最も重要な事柄を明らかにし、それを実行してはじめて心の平和やバランスの良い生活は得られる。
利己主義→「豊かさマインド」こそ真の優れた業績はなされる
周りの人間が競争相手に見えてしまったり、他人の成功を妬んでしまう。歴史を振り返れば偉大な業績の多くは、自立した個人の揺るぎない決意のものとで成し遂げられている。しかし知識労働者時代においては、個人ではなく「私たち」という概念を心から理解し、実践し、内面化した人こそが、最大の機会、無限の可能性を手にできる。全ての人に成功が行き渡ってなお余りある「豊かさマインド」を持つ人、他者を尊重し、お互いの利益のために無私の気持ちで働く人によってこそ、真の優れた業績はなされる。
理解されたいという渇望→まずは相手の話を聞き、理解せよ
私たちには理解されたいという渇望がある。「私の声に耳を傾けて欲しい」「私に敬意を払って欲しい」「大切にしてほしい」という欲求は、他者に対して影響力を持ちたいという欲求でもある。相手に影響力を与えられるのは、相手があなたに影響を与えていると感じた時からである。自分が理解されていると感じた時、あなたが心を開いてくれたと相手が感じた時に初めて、その人に影響を与えられるようになる。影響力を与えるということは、例え一人でも真剣に聴いてくれる他者との相互理解という原則に基づくものである。
対立と相違→妥協せず、創造的協力をしよう
対立や相違があったときに、妥協を選ぶことがあるが、それば双方ともに満足する解決策ではない。妥協せず、創造的協力という原則に従えば、双方が最初に持っていた考え方を上回る素晴らしい解決策を生み出せる
私的停滞感→
人間の本質には4つの側面がある。肉体・知性・心情・精神である。これらの4つの本質に対する現代社会と原則のアプローチの違い。
・肉体
現代社会の傾向:生活習慣を改善せずに、健康上の問題は手術や薬で治療する
原則:健康に関して、すでに確立され受け入れられている普遍的な原則に沿ったライフスタイルによって、病気や健康上の問題を予防する
・知性
現代社会の傾向:テレビを見ながら娯楽にふける
原則:幅広く深く読書し、継続的に学ぶ
・心情
現代社会の傾向:私利私欲のために、他人を利用する
原則:敬意を払い、話を真剣に聴き、他者に仕えることが真の達成感と喜びをもたらす
・精神
現代社会の傾向:世俗主義と皮肉が増長する風潮に身を任せる
原則:人生を前向きに捉えることができるもの、人生に意味を見出そうとする基本的なニーズの源には原則があることを認識している。その自然の法則の源として著者が個人的に信じているのは、神である。
社会における普遍的な問題を知ることで解決策の糸口になる
私たち自身が抱える個人的な問題やニーズ、社会における普遍的な問題を挙げていきましたが、いかがでしたでしょうか?現代社会のアプローチと時を超えた不変の原則のアプローチの対比を心に留めておくと問題の解決策と、そこに至るまでの道筋を見出せると著者は語っています。